パラパラと落ちてくる瓦礫を横目に、独りぶらぶらと観光気分のカイエル。
クゥと呼ばれていた神兵が時期に此処は崩れるから脱出しろと忠告されたものの、カイエルは外に出ようとは思わなかった。
この建物が魔方で構成され維持されているとはいえ、崩れない保障はない事はこれまでの事からも理解している。
それでも、留まる理由があったからだ。
別行動を取っているレシャにも此処が崩れると告げなければならないし――もしかしたら、
その事は既に知っているかもしれないと思わない訳でもなかったが――最たる理由は、たった一つ。
「―――ってかね…、此処は何処だーッ!!」
両腕を振り上げて力の限り叫んだ。
そう、彼は迷子になっていた。
壁を壊して外へ出ようにも侵入時に打ち壊しに使った大金槌は置いて来てしまっているからそれも出来ず、
来た道を辿って戻ろうにも向かって来る神兵を薙ぎ倒しながら進行していたため覚えていない。
迷子以外に適切な言葉など在るはずもなく、
「レシャ〜っ! セレスちゃーんっ!!」
情けなく、知人の名を叫ぶ。
答える声は当然なく、ぶらぶらと歩き回るしかなかったのである。
肩に止まるレイトを優しく撫でてから、左の腰あたりのスカートをずらしたセレスに待ったの声がかかる。
「何?」
そのままの姿勢で短く返った声にクゥが苦笑を返し、
「いや何、大した事ではない。帰還の道案内は私がしよう」
「一の珠がまだ健在だから、通常のは使えないでしょう?」
あっさりと返った科白に肩を竦めて返す。
「問題ない」
単調に答えて胸元に手を差し入れる。
「―――少々、寄り道をしてもらいたいのでね」
その声と共に、世界が一変した。
白を貴重とされていた、今は瓦礫が散乱していたその部屋が一瞬にして暗闇へと誘われる。
レシャは驚きに目を瞬いたが、そのすぐ傍でセレスが怪訝そうに双眸を細めた。
「どういうつもり?」
低い声で問い掛けたセレスに答えるように、数メートル先にぼんやりと半円形の白い光が浮かび上がる。
その傍には小さな人影が身を任せるようにして寄り添っていた。
「―――クゥ?」
幼い声が驚きにも似た声で発せられる。
「一の珠……」
その表情は闇に紛れて見る事は叶わぬが、セレスが緊張した面持ちで呟きを漏らした。
レシャは何の事かと首を傾げるだけだが、クゥは小さく肩を竦めると先に立ってイチノへと歩み寄る。
「会いたがっていただろう?」
その科白に、ゆっくりとした動作でイチノは身を起こすと背を顧みるようにして三人を振り返った。
それから左手で白き珠を撫でると、明かりが灯ったかのように室内が明るくなる。そこは、およそ7メートル四方の、
入り口のない周囲が壁だけで構成されている閉ざされた空間。
そして、フードを深くかぶりその顔に影を落とすイチノが目にしたものは、クゥの背後に立つ二人の白銀の髪を持つ者。
自分を見つめるその眼も、困惑の瞳と、敵意にも似た瞳と、浮かべる情は違えど髪と同じ白銀。
小さな笑みを口元に浮かべてからイチノは深い一礼をし、その顔を隠していたフードを外す。
現れたのは少年とも少女とも判別の難しい、されど神秘的な美しさを秘めた容貌。
何の感慨も浮かばぬ紅き瞳と、“神”と同じ黄金色の髪。
その姿にレシャが顔を強張らせ、セレスが険しい表情のままで一歩進み出る。半身になってその背にレシャを庇うようにして。
「リュデロ、どういうつもり?」
もう一度問い掛けた声に、
「本物なのですね」
抑揚のない声がイチノから返った。
「彼、クゥの…―――真の名を知っているアナタは」
続けられた科白にセレスの表情が当惑の色を浮かべる。
「改めて、初めまして。私は一の珠を預かる者。お目にかかれて光栄です、銀の方。そして、二つの銀の血を引く方」
丁寧な口調で更に続いた科白に今度はレシャが何とも言えない複雑な顔をした。
「その眼。元々、珠の役目として造られたのではないという事はわかるけど、
この館の守り手として必要でないモノまで残されてるとは思えないし、現状を見た一の珠の科白としては間違ってるんじゃない?」
「元より私の役目はこの館を守るためのモノ、お館様の存命は他のモノの役割ですから」
セレスの皮肉めいた科白に返ったのは一の珠としての役割に従事しているだけの人形らしくはあったが、
仮にも“神”を守るために造られた神兵のモノとは程遠い。
そのやり取りに小さく肩を竦めたクゥが、
「イチノとは世間話をする中でね」
妙な事を口走った。
「リュデロ?」
「いや何、大した事ではあるまい。とかく暇でね」
「―――オレ、訳がわからないんだが。とりあえず、あんたが可笑しいってのだけはわかった」
苦虫を噛み潰したかのような顔をしたままで、レシャがぽつりと呟く。
「レシャヴェル、お前は私に何か恨みでも?」
「ない訳ないし」
あっさりと斬り捨てる。
「それで? オレにも事情がわかるように説明して貰えると嬉しかったりするんだが?」
「一の珠は館を守るための神兵、この館を此処にあるべきと形作り止め置く、それが仕事。この封じられた部屋でね」
周囲を見回すように促しながらセレスが簡単な説明をし、
「へぇ」
「この部屋から出る事は叶わず、そこにある大きな珠――ギョクって言うんだけど、それを使って此処にいるだけが仕事。
大概、最初に制覇しとくと後が楽だったりする神兵だよ。迷路みたいなこの館を作ってるのも、そのコだから」
レシャにはいらない豆知識まで披露した。
「…こんなトコにずっといたら暇で仕方ないな」
そんな感想をぽつりと呟いたレシャに嬉しげな笑みをクゥは浮かべる。
「だから私が世間話に来ていたのだ」
「あんたには聞いてないし、言ってないから」
私怨が込められてるとしか思えない態度の豹変ぶりだった。
「それでセレスが警戒している、と。―――で、何を考えてこんなトコにオレ達を連行した?」
「他意はない。単にイチノがお前達に会いたがっていたからだな」
あっさりとそんな事を口にする姿にセレスが肩ごと大きな溜息を吐き出す。
「それで?」
何故か諦めの入った声音になったセレスに愉しげな笑みが返り、
「いや何、大した事ではない。寄り道と言っただろう? すぐに済む」
「もう済んだ気がするのはオレだけか?」
「レシャは甘い」
ぽつりと呟いたレシャに、溜息交じりにセレスが断言した。
「接客業の割に、人の性格を掴むのが確かに甘いな。ウィルの元で学んだとは思えん」
「だから何でそんな事まで知ってるんだよ…」
ウィル、という名に顔を背けると拗ねたように呟く。
「彼はいつもアナタを気にかけていましたから」
「いや、そういう意味でなく――」
「此処は最早不要の場となりました」
レシャの科白を遮り、義務的に淡々とした口調でそう告げてから視線をクゥへと向ける。
「クゥ、お二方を連れて早々に離れて下さい。珠の役目の者が補充される前に」
「そうだな」
単調な科白に短く頷き、クゥは小さな息を吐き出すときびすを返した。
ゆっくりとイチノへと歩み寄ると、
「お前の言った通り、この場は不要のモノだ」
そう呟くと両手を自身の耳朶へと当てる。
「
release」
小さく言霊を紡ぎ、白い光が場を覆う。
視界を奪ったそれが去った後、そこにあったのは同じ気配でありながら色を違えたクゥの姿。背を向けたままだが、
短く刈り上げられた髪の色が見事な白銀色に輝いている。
驚きの表情を浮かべたのはレシャだけだったが、
「イチノ」
短く名を呼んで握った左手を差し出した。
「手を」
その科白に、イチノが両手を差し出し、
「リュデロ、本気?」
何故か怪訝そうなセレスの声が問い掛ける。
「ああ」
「そう、わかった」
「助かる」
短いやりとりを頭にハテナマークを浮かべたまま見つめるレシャの目の前で、
差し出された両手にクゥは左手を乗せるようにして開いた。
次いで、イチノの目が驚きに見開かれる。
「クゥ、これは――」
「それはお前にやろう。私には最早不要なのでね」
イチノの科白を遮ったのはいつもと変わらぬ口調。
当惑したままのイチノに横目で視線を流すと小さな笑みを浮かべ、両手を眼前にあった珠へと伸ばす。
「変わる、還る、変ずるは理(ことわり)、その担い手たる流れを変えて、受け入れるは新たなる流れ」
双眸を閉じて呟かれた科白に、イチノが珠の役目とは思えないほど驚愕した顔をし、
「クゥ、何をしているのですか!」
叫んだ。
ただ与えられた役目を機械のようにこなし、余り見え隠れしない感情は人形のようで、
それでも珠の役目を与えられた者は自身で思考し行動する必要があるため自我はあるものの、
叫ぶ、などという事はこれまで一度もなかったのだが。
「いや何、大した事ではない。ただの後始末だ」
軽くそう答えて両手に力を込めた。流れを変え、形作る全てを変換し、強制的に主導権を自身に握らせるために。
それに反応するように珠がぼんやりと白き光を放つ。
「馬鹿な事を…。銀の方、止めて下さい! これではクゥが――」
「もう遅いよ」
短い、されど重い科白がセレスより漏れるのとほぼ同時に周囲が黒き闇に包まれた。
沈黙だけが覆う中、どさりと物の落ちる音が一つ。その後で、
「突然暗闇とは中々扱いが難しいな」
暢気な科白が響き渡った。
「成れない事するから」
苦笑とも取れる声音でセレスが突っ込む。
「クゥ、アナタは自分が何をしたかわかっているのですか? そのような――」
「後始末と言っただろう?」
イチノの科白を遮った科白も、声音も、別段変化はない。
「さて、暗くてどうしようもないな」
肩で息を付くように呟くと、その科白に続くようにして部屋に再び明かりが灯った。
一の珠とは思えないほど悲痛な顔をして見つめる先は、
部屋の中央にある大きな珠に背を持たれかけるようにして腰を落としているクゥ。そして当惑したままのレシャと、
イチノと同じように悲痛に顔を歪めてその姿を見つめるセレス。
「戻る事も還る事も叶わないだろう、だがイチノ、お前は自由だ。自身の意思で、己の足で、未来へと歩んで行ける」
右手を珠に当て、顔を伏せたままクゥはそんな科白を口にした。
一瞬だけそれに揺らいだ瞳が嬉しげな色を浮かべるがすぐさま元の哀しげなモノへと変わる。
「気にする事はない。以前から、こうすると決めていた」
何処か満足げに呟くと顔を上げたクゥの双眸は、黒一色から白銀一色へと色を変えていた。
その姿にレシャは言いかけた科白を飲み込み、顔を背けるようにして俯く。
悲痛に自分を見つめ返す同じ高さに並んだセレスとレイトの白銀の双眸に、クゥは何処か懐かしいモノでも見るような優しい顔で、
「世界が色を変えた」
ぽつり、と呟いた。その科白にセレスの顔が強張る。
「その意味が、やっとわかった。―――随分時間がかかったがね」
自嘲するような、苦笑するような、不確かな笑みを浮かべて。
「愛する者のいなくなった世界で生きる事は何より辛いな、セレスティア」
そう締めくくって、ゆっくりとその双眸を閉じる。
「私は十分生きた、満足している。だが、ただ終るのではなく――」
「わかってるよ」
科白を最後まで言わせる事なくセレスが答える。
「止めるためでしょ? 続く連鎖、終らない流れ、自分で選べないもんね」
苦笑してそう続けたセレスに、頷きが一つ返った。
「置いて行かれるのは彼等ではなく、我々なのだと。それを理解した上で、在り続けるんだな?」
「私はそのためにいるから」
「そうか。―――頼む」
「わかってる」
頷き、一歩前へと進んだセレスに、弾かれたようにレシャが顔を上げる。
「セレス…!」
「違うよ、勘違いしないで」
慌ててその肩を掴もうとしたレシャにそんな声を返しながら立ち止まったセレスに、
返り行き場を失った手を握り締めた。それから視線をクゥへと送る、全身を珠へと預けるようにして静かに双眸を閉じた姿が目に映った。
「何だよ、それ…。腹貫かれても平気な顔してた癖に、いきなり――」
「一の珠の役目を、無理やり奪ったから」
レシャの科白を淡々としたセレスの声が遮る。
「他の人には無理だけど立場が同じなら可能、でも、リュデロは似て非なるモノだから存在そのものをかける必要があった。
それをわかっててやったんだよ」
「何でそこまで…何をやってるんだよ、お前! そんな事のために此処にいたって言うのか!?」
「そうだ」
叫び声に返ったのは、落ち着いた静かな声での短い肯定。
「さて、他の珠が選定される前に終らせなければな」
その科白にレシャはきつく拳を握り締めるとセレスを追い越してクゥへと歩み寄り眼前でその姿を見下ろす。
「待てよ…」
掠れんばかりの小さな声で呟く。
聞こえてはいるのだろう、口元に小さな笑みをクゥが浮かべるに合わせて珠がほんのりと白く輝く。
「色々あったが、それなりに楽しめた」
「待てって言ってるだろう、何を勝手に――」
ビシッ。
珠に当てられた左手を基点として珠に大きな亀裂が入り、驚いたレシャの科白を止める。
「往々にして突然やってくるモノだが、自分で終わり方を選べた」
クゥの科白に合わせるように亀裂が増えて行く。
「満足している」
心の底より、そう思うのだろう。本当に穏やかな声でそう告げて、珠がコナゴナに砕け散った。
四散した珠は空中分解するように消えていく、床に崩れ残ったモノも消えて、そこには初めから何もなかったかのように。
支えを失ったクゥはそのまま背から床へと落ち、慌てて傍に腰を落としたレシャが抱き上げる。
「何でっ…」
俄かに嗚咽の混じった声で小さく呟くと、そのまま顔を伏せた。その背は、小さく震えている。
「―――申し訳、ありません…。彼がこのような事を考えていたなど…、予想すら出来ませんでした」
やっと聞き取れるくらいの声で呟いたイチノを余所に、無表情になったセレスがゆっくりとレシャへと歩み寄った。
震えるその背は、怒りではなく、哀しみで。それが、痛いほどにわかる。
「レシャ」
静かな声音でその背へと呼びかけた。
「今なら、まだ、間に合うけど…。どうする?」
それは決して口にしてはならない科白。
セレス自身の否定にはならないが、これまで否定し続けて来た“神”の所業を、その存在を、肯定するものだ。
「他の人は無理だけど、リュデロなら……出来るよ」
在るべきと定められた、歪んだ命。
長き時を、変わる事なく、ただ在り続けた、強制されたもの。
そうさせた根源がある限り、失われる事のない約定。不可侵の領域にある、固定された存在。
「どうする? レシャが、決めて」
もう一度、問い掛けた。
小さく、レシャがその伏せていた顔を上げてクゥを見やるようにして、
「何もしなくて、いい」
搾り出すような声で答えた。
「本当にいいの? 此処が崩壊したら、もう無理だよ?」
「ああ」
念を押したセレスに、しっかりとした頷きが返る。
「言いたい事、たくさんあったんじゃないの?」
「そうだな」
「聞きたい事だって、あったんでしょう?」
「ああ、一日じゃ足りないくらいな」
「それなのに、いいの?」
「いい。このままで…」
そう言ってから肩越しにセレスを振り返る、その顔は嬉しいように苦笑した複雑な表情。
「しょうがないだろ? こんな、満足そうに……母さんと、同じ顔してるんだ。酷いよな? こんな顔されたら、オレ、
何も言えないだろ」
その瞳には涙が溜められていた、けれど、流れ落ちない涙。
「そう、わかった」
しっかりとレシャを見つめて、頷く。それから自身へと向き直った姿に、イチノは軽く身を強張らせた。
「アナタは、どうする?」
「え…?」
真っ直ぐな視線での科白に、イチノはその問いの真意がわからなかった。
「アナタはどうしたいのか、聞きたい」
「私? ―――どう、も何も…。銀の方、何故そのような事を? 私はアナタの同胞を犠牲にし、生きる事を赦されたというのに?
それは本来、あってはならない事態であり、アナタにとっても赦せるものではないはずです。それなのに、何故…?」
「彼が、それを望んだから。アナタの意思を無視してる時点で、ただの自己満足だけど。リュデロはそうする事を望み、
私に頼むと言ったからだよ。私には、彼の命を守る必要も、その命を脅かした者を断罪する権利もない。でも、
頼まれれば、その希望を聞く、義務はある」
揺るぎ一つない、しっかりした口調。
「だから、アナタはどうしたいのか知りたい。リュデロが言ったように、アナタは自由だから。自分で選んで、どうしたいか」
「そのような事…ある筈が」
「私達は彼等とは違うから。強制はしないし、保身も別にしない。ただ、己に正直である事、己の意思に忠実である事、
それだけ。自分を貫くっていうのが、実は一番難しいんだけど、私達の存在理念はそれなの。誰にも譲れない、絶対の法(ロウ)。
だからリュデロのした事にも口を挟まなかったし、今、こうしてアナタ自身に聞いてる」
そこまで言ってから苦笑した。
「本当なら無理にでも外へ連れ出す所なんだけど…。リュデロが、アナタは自由だと、自分で選べるのだと、言ったから。
強制はしないし、出来ない。だから選んで、アナタ自身はどうしたいか?」
肩を竦めるセレスを、半ば茫然とした表情でイチノは見つめ、それから遠くを眺めるように視線を逸らした。
「一つだけ…」
記憶を呼び起こそうとしているのか、過去を懐かしむような顔をイチノはしてみせる。
「何?」
「―――空が…、青い、空を…もう一度、見てみたい」
数秒間沈黙した後で、ぽつりと呟いた。
その科白に、セレスは悲痛にも似た、されど何処か嬉しそうな笑みを浮かべる。
「わかった」
小さく答えて、肩に黙して留まり続けるレイトを見やって、
「リュデロの目は、確かだったね」
何処か満足げに呟いた。
返事はなかったが、双眸を伏せて胸の前で両手を組んだセレスに合わせて、ばさりとレイトが羽ばたく。
「現われ出でたるモノ、開かれし全ての門、封じを解き放ち現れたモノ。還るは根源の地、封じて後は静かなる眠りに落ちる。
閉じよ、創始の門。誘い閉じよ、天界の門」
静かに言葉を紡いだセレスの上空で、
静止画像のように留まるレイトの首の周囲を漂っていた赤い輪がぐにゃりと歪む。
「―――これ、か」
その傍らで苦しげな声をレシャが漏らした。脳内に直接響き渡る絶対の命令、それは少し前に自身を苦しめた言霊、
今は閉じろ閉じろと命じ続ける、まるで呪いのようなそれ。
「再び開くその時まで―――、光印、封印」
声と共に周囲がまばゆいばかりの白き光に包まれた。
セレスが色を変えた時のように。
レイトがその姿を変えた時のように、辺りは白き光に飲まれた。
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